北京オリンピックでの「君が代」の演奏がおかしいということに関して書いた先日の記事について、とてもたくさんの人から賛同のメールやコメントをいただきました。滅多に更新しないこのブログが、すわ炎上か、と思ったほどアクセスも爆発的に増えたことも驚きでした。同じように「君が代」がおかしいと思った人がいかに多かったかということでしょう。
ところで、知人からの指摘で、今回の北京五輪での奇妙な「君が代」に関して新事実が判明したのでお伝えしておきたいと思います。それは8月22日付のワシントンポスト紙の記事「Anthem Arrangements Raise A Red Flag Over Authorship」です。無料会員登録すればまだ閲覧できるはずです。urlはこちら。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/08/21/AR2008082103668.html
ペーテル・ブレイナーという音楽家の名前、聞いたことのある人もいるでしょう。ナクソスでとても洒落たガーシュウィンのアレンジでトランペットの伴奏ピアノをレコーディングしていたのが印象的でしたが、最近は活躍の場をどんどん広げている極めて才能豊かな作曲家・編曲家です。
ワシントン・ポストの記事によれば、今回の北京オリンピックの国歌演奏は、約200カ国すべて、ナクソスにレコーディングされているペーテル・ブレイナー編曲による国歌集を、ナクソスやブレイナーの編曲スコアの管理出版社「ナクソス・ライツ・インターナショナル」に無許可で中国のオーケストラが演奏したものらしいのです。
問い合わせに対する北京オリンピック組織委員会側の回答はといえば、「ナクソスについては一切知らない。すべての国歌演奏はわれわれの中国人音楽家の編曲・演奏によるものだ」というものだったようです。
ワシントン・ポストは、北京の国歌演奏をブレイナー編曲のオーケストレーションの盗作に限りなく近いとした上で「北京のオーケストラよりもナクソスのスロヴァキアのオーケストラの演奏のほうが遥かに優れている」と皮肉っています。
ちなみに、問題の「君が代」の演奏ですが、ナクソス・ミュージック・ライブラリーで試聴してみたところ、確かに銅鑼が鳴ったりするアレンジは全く同じものでした。ただ、例のリズム「いーわーおーとーなーりてー」はきちんと正確に演奏されていました。
記事の中ではナクソスのクラウス・ハイマン社長のコメントも紹介されていて、ハイマンの推測によれば、ナクソスの音源はすべてナクソス・ミュージック・ライブラリーで試聴できるようになっていますが、それを中国人音楽家が再生して聴きながらスコアに起こしたものを使用したのではないか、とのこと。
現在、ナクソス側は、北京オリンピックのメダル授賞式などのあらゆる国歌の演奏の録音を集め、ブレイナー編曲のナクソス音源との比較に入っているらしく、場合によっては北京オリンピック組織委員会に対する訴訟も辞さない構えのようです。
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